ノーコード・ローコード開発とは?違いやツールの選び方、向き不向きをエンジニアが解説
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近年、ノーコード・ローコード開発は多くの企業から注目を集めています。 専門的なプログラミングスキルがなくても、アプリケーションを比較的簡単に開発できる環境を提供する技術だからです。 こうしたことから、IT人材不足や開発コストの削減といった課題を解決する有効な手段として世界的に注目されています。 そこで今回は、ノーコード・ローコード開発の基礎知識やメリット・デメリット、ツールを選ぶ際の注意点などについて解説します。
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<この記事でわかること>
・ノーコード・ローコード開発の基本と、両者の違い(比較ポイント)
・失敗しないツール選定の基準(操作性・拡張性・連携・サポート・コスト等)
・導入前に押さえるべき注意点
・ノーコード/ローコードそれぞれが向いている企業・業務と、慎重に検討すべきケース
・ノーコード・ローコード開発ツール 導入前診断テスト(無料)
<監修:リトルソフト株式会社 T.O>
IT業界歴10年以上。Webシステム・業務システムを中心に、要件定義から設計、開発、運用まで一貫して担当。フロントエンドからバックエンド、インフラ・クラウドまで幅広く対応できるフルスタックエンジニアとして、多様なプロジェクトをリード。 現在はDX推進グループのマネージャーとして、企業の業務改善・DX推進を技術と現場視点の両面から支援している。 地方企業への出張・現地ヒアリングも多数経験し、現場に即したシステム導入・運用設計を強みとする。
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最近よく聞くノーコード・ローコード開発とは?〜それぞれの違い〜
そもそもノーコード・ローコードとは何なのか?
ノーコード・ローコードとは、専門的なプログラミングスキルがなくても、システムやアプリを開発・管理できる開発手法のことをいいます。
従来のように、すべてを一からプログラムで作るのではなく、画面上での直感的な操作でシステムを組み立てられる点が大きな特徴です。ひと昔前に誰でも簡単にブログを作れるサービスが登場し、専門知識がなくても情報発信ができるようになりましたが、それと似たような感覚です。
複雑な処理や仕組みはあらかじめ開発者側が用意してくれているため、ユーザーは“必要なパーツを選んで配置するだけ”でシステムやアプリが完成します。
ローコードとノーコードの違い=コードを一切書かずに済むかどうか
ローコードとノーコードの違いは、コードを書くかどうかにあります。
ローコードは、画面操作を中心にしつつ、必要に応じて少量のコードでカスタマイズできる手法です。一方、ノーコードはコードを書かずに、ドラッグ&ドロップなどの操作だけでシステムやアプリを構築します。
ノーコード・ローコード開発ツールの選び方と注意点
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ノーコード・ローコードでシステム開発を成功させるためには、企業ごとに異なるニーズに応じて最適なツールを選ばなければなりません。ノーコード・ローコードでの開発を検討されている場合は、以下に挙げるツールの選び方と注意点を参考になさってください。
操作性(使いやすさ)
ノーコード・ローコード開発ツールは誰もが簡単に使えることが前提であり、インターフェースが直感的で、操作の習得に時間がかからないツールを選ぶことが重要です。 特にノーコードツールの場合は専門知識がない人でも操作できるか確認しましょう。
また、ツールが提供するヘルプ機能や、ユーザーマニュアルの充実度も重要な判断基準です。初心者向けのトレーニングやウェビナーの有無も確認しておくと良いでしょう。
カスタマイズ性
各企業の業務プロセスに合わせたカスタマイズが可能かどうかも重要です。標準機能だけではなく、業務に合った機能を追加できる柔軟性を持ったツールを選ぶことで、企業のニーズに合ったシステムを構築することができるようになります。
具体的には、「独自の計算ロジックを追加できるか」「外部プログラムとの連携が可能か」 「JavaScriptやAPIを使ったカスタマイズができるか」といった点です。
拡張性
企業の成長に伴い、システム規模拡大や利用者数の増加、データが増えても動作が重くならないか、クラウドベースで柔軟にリソースを調整できるか、といったことにも対応できるツールであるかを確認しましょう。
セキュリティ機能
企業データを扱う以上、セキュリティ機能が十分であることは必須です。以下の項目を確認しましょう。
- データの暗号化(保存時・通信時)
- アクセス制限・権限管理(データベース権限を細かく設定できるか)
- 二要素認証への対応
- バックアップ・復元機能
- ログイン情報の管理方法(共有アカウント禁止など)
- 操作ログの取得・保管
- 個人情報保護法・各種法令への対応
- 定期的なセキュリティ更新があるか ・ISO/IEC 27001などの国際規格の取得状況
連携能力
既存のシステムや他のソフトウェアとの連携が可能かも重要なポイントです。 特に、データを他のシステムとスムーズにやり取りできるAPIや連携機能があるかは必ずチェックしましょう。安全な連携機能を持つツールを選ぶことで、情報漏えいのリスクを減らせます。
- 外部アプリやサービスとスムーズに連携できるか
- データの同期やリアルタイム更新に対応しているか
- API連携時の通信が暗号化(HTTPS)されているか
- APIキー・アクセストークンを安全に管理できる仕組みがあるか
- 連携先への情報提供範囲を制限できるか(不要なデータを渡さない設定が可能か)
サポート体制
ツールを使用する際のサポート体制も重要です。特に、日本語でのサポートがあるか、トラブルが発生した際に迅速に対応できる体制が整っているか、導入支援の有無などを確認しましょう。 当然ながら、サポートの提供時間や対応速度、メール、チャット、電話などのサポート方法が充実しているに越したことはありません。活発なユーザーコミュニティやフォーラムがあることも選定の目安になります。
コスト
導入時の費用だけでなく、運用コストや追加機能の費用も考慮する必要があります。 必要に応じてスケールアップできる柔軟な価格設定が提供されているかも確認しましょう。 ライセンス形態や追加ユーザーによるコスト増の可能性、将来の機能拡張時のコストも事前に見積もっておく必要があるからです。
ベンダーの信頼性
中小企業はシステムの管理を外部ベンダーに頼ることが多いため、もしベンダーが対応できなくなるとシステムが使えず、自社の業務が止まってしまう可能性があります。 以下の点をしっかり確認して、「安心して任せられる相手かどうか」を見極めましょう。
- ベンダーの実績や導入事例
- サービス継続性(突然のサービス終了リスクはないか)
- データのエクスポート機能(他のツールへの移行が可能か)
ノーコード開発が向いているケース
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ノーコード開発は、「とにかく早く・簡単にシステム化したい」場合に向いています。コードを書かずに、ドラッグ&ドロップなどの画面操作だけで開発できるため、ITの専門知識がない担当者でも扱いやすい点が最大の特長です。
特に、以下のようなケースではノーコードの強みが活かされます。
・小規模な業務アプリを短期間で作りたい
・紙やExcelで管理している業務をすぐにデジタル化したい
・社内にエンジニアがいない、またはITリソースが限られている
・現場主導で、簡単な業務改善をスピーディーに進めたい
<システム・アプリの具体例>
業務・用途 | 具体例 | 向いている理由 |
社内申請 | 経費精算・各種申請フロー | 定型業務でロジックがシンプル |
報告・点検 | 日報・作業報告・点検チェックリスト | 入力中心で処理が単純 |
フォーム | 社内アンケート・簡易フォーム | データ収集が主目的 |
予約管理 | 簡易的な予約管理システム | 業務フローが単純 |
台帳管理 | 小規模な在庫管理・台帳管理 | 件数・構造がシンプル |
進捗管理 | タスク管理・進捗管理ツール | 可視化が中心・分岐が少ない |
ローコード開発が向いているケース
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ローコード開発は、「スピードと柔軟性の両立」を重視する場合に向いています。基本は画面操作で開発しつつ、必要に応じて少量のコードを追加できるため、ノーコードよりも自由度の高いシステム構築が可能です。
以下のようなケースでは、ローコードの方が適しています。
・既存の基幹システムや外部サービスと連携したい
・業務フローがやや複雑で、標準機能だけでは対応しきれない
・将来的な機能追加・拡張を見込んでいる
・ある程度のIT知識を持つ担当者やエンジニアが社内にいる
<システム・アプリの具体例>
業務・用途 | 具体例 | ローコード向きの理由 |
顧客管理 | CRM(顧客管理)のカスタマイズ | 独自項目・ロジックが必要 |
営業支援 | SFA(営業支援ツール) | 業務フローがやや複雑 |
連携系 | 既存基幹システム連携アプリ | API・データ連携が必要 |
部門横断 | 複数部門で利用する業務システム | 権限・業務分岐が発生 |
会員向け | 会員向けポータルサイト | 認証・画面制御が必要 |
外部向け | ECサイト・外部ユーザー向けアプリ | セキュリティ・拡張性が必要 |
ノーコード・ローコードのどちらも慎重に検討すべきケース
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ノーコード・ローコードはいずれも万能ではありません。すべてのシステムや要件に対応できるわけではないため、以下のようなケースでは、慎重な検討が必要です。
・高度で複雑な業務ロジックが求められる基幹システム
・高いパフォーマンスや大量データ処理が必要なシステム
・独自仕様が多く、標準機能では対応できない業務
・セキュリティ・ガバナンス要件が非常に厳しいシステム
<システム・アプリの具体例>
システム種別 | 具体例 | 注意点 |
基幹系 | 販売管理・生産管理 | 業務ロジック・影響範囲が大きい |
大規模処理 | 大量データ処理システム | パフォーマンス要件が厳しい |
人事系 | 人事・給与システム | セキュリティ・法対応が厳格 |
独自仕様 | 独自業務システム | 標準機能では対応困難 |
自社に合った開発手法をもう少し具体的に整理したい方は、以下の診断をご利用ください。
ノーコード・ローコード開発のメリット〜非エンジニアでもシステム・アプリが作れる?〜
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「システム開発は難しそう」「専門のエンジニアがいないと無理」—
そのようなイメージを大きく変えたのが、ノーコード・ローコード開発です。では、この画期的な開発手法の具体的なメリットを改めて確認してみましょう。
開発スピードの大幅な向上
ノーコード・ローコード開発のメリットとして、「スピード感」「コスト削減」「人材不足解消」が挙げられますが、現職のエンジニアとして最も効果を実感しているのはスピードです。
実装や修正を画面上で試行できるため、開発スピードが向上し、トライ&エラーを繰り返しながら素早く改善できる点が大きな特長です。
工数削減によるコスト削減
開発スピードの向上により、工数そのものが削減され、その結果としてコスト削減につながります。
実際、工数が50〜90%削減されることで、従来は6か月〜2年ほどかかっていた開発が、数週間から3か月程度で完了するケースもあります。
また、クラウド型ツールが中心となるため、サーバー購入や管理といったインフラ費用も不要です。従来のフルスクラッチ開発では数百万円から数千万円の費用がかかるところ、ノーコード・ローコード開発では数十万円から数百万円程度で実現できる事例も報告されています。
IT人材不足の影響を緩和できる
ノーコード・ローコード開発では情報システム部門の担当者や現場の業務担当者がシステム開発に関われるようになります。完全ノーコードのツールであれば、プログラミング未経験の社員でも、ドラッグ&ドロップの操作だけで業務アプリを開発できる場合もあります。
これにより、エンジニア採用が困難な状況でも、社内リソースを活用してシステム開発を進めやすくなり、IT人材不足という構造的課題への有効な対策となります。
短期間での試作品(プロトタイプ)開発
コードを書く作業が大幅に削減されることで、短期間で試作品(プロトタイプ)を作成しやすくなります。
早い段階で検証・改善を重ねることで、ムダな開発や手戻りを減らし、失敗リスクを抑えながら開発を進められる点も共通のメリットです。
業務プロセスの効率化・自動化が進めやすい
業務部門の担当者自身が仕組みづくりを行えるため、現場で気づいた課題を即座に改善できるようになります。
その結果、業務プロセスの効率化や自動化を現場手動で継続的に進めやすくなります。
”限界”はある…ノーコード・ローコード開発のデメリット
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高度なITスキルがなくてもアプリやシステムの開発に参加できるノーコード・ローコード開発は、すでに多くの企業で採用されています。 サイボウズ株式会社の提供するノーコード・ローコードツール「kintone(キントーン」)の導入実績は41,000社以上(2025年時点)であり、いかに期待されている開発手法であるかがわかります。
しかし、そんなノーコード・ローコード開発も万能ではありません。何事もそうですが、メリットの裏にはデメリットがあります。
すべての開発要件に対応できるわけではない
ノーコード・ローコード開発は便利な手法ですが、前にも触れた通り、すべての開発要件に対応できるわけではありません。
あらかじめ用意された機能や仕組みをベースに開発するため、業務やサービスの内容によっては、思い通りに作れないケースもあります。
ツール仕様やセキュリティへの依存
ツールの仕様に制約を受けやすく、セキュリティ面についてもプラットフォーム側の対策に依存することになります。自社独自の厳格なセキュリティ要件やガバナンス要件がある場合は、対応可否を事前に十分確認する必要があります。
ベンダーロックインのリスク
特定のサービスやベンダーの仕組みに強く依存してしまう、いわゆるベンダーロックインのリスクも考慮が必要です。他サービスへの移行が難しくなる可能性があるため、データのエクスポート可否や移行手段についても確認しておくことが重要です。
ランニングコストと価格改定リスク
初期費用は抑えられる一方で、ランニングコストは継続的に発生します。また、サービス終了や価格改定の影響を受ける可能性もあるため、長期的な運用を見据えたコスト管理が求められます。
まとめ|ノーコード・ローコード開発市場は拡大傾向だが自社との”相性”の見極めが大切
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ノーコード・ローコード開発は、世界的に導入が進んでいる成長分野です。
2024年時点で世界の市場規模は約3兆〜4兆円規模に達しており、今後も高い成長率で拡大が続くと予測されています。
(参考:Grand View Research「Low-Code Application Development Platform Market Report, 2030」、Forrester「The Low-Code Market Could Approach $50 Billion By 2028」)
日本国内においても市場は右肩上がりで、2023年時点で800億円超、2028年には1,500億円超に拡大する見込みとされています。
(参考:ITR「ノーコード・ローコード開発市場規模推移および予測を発表」(2025年2月))
DXの加速やIT人材不足、短期間・低コストでシステムを構築したいという企業ニーズの高まりを背景に、今後も活用の広がりが見込まれる分野と言えるでしょう。
特に、限られた予算や人員の中で業務改善やシステム化を進めたい企業にとって、ノーコード・ローコード開発は現実的かつ有効な選択肢の一つですが、自社の事業内容やリソース、将来の事業計画に合致するかどうかを慎重に見極めることが大切です。
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